知床

LAST UPDATED: 99/07/17




4番目の故郷(笑)と呼んでいる場所です。北海道の北東の果て。観光客の入れ
る場所で行ったことのないのは、現在立ち入り禁止になっている「男の泪」(滝の
一つ)だけになってしまいました(^^;) とはいえ、結構行ってる人もいるのですが、
そのたびに熊に遭遇しているようですので、真似しないほうが良いでしょう…。


小犬時代のカイin岩尾別YH

■ウトロ■
知床、というと大抵ここを指します。小さな港町ですが、ウトロ温泉があって
大型宿泊施設が並びます。ここに私が知床で一番好きなオロンコ岩があり
ます。港のすぐ手前の巨大な岩なんですが、急勾配の階段を登ると展望台
になっているのです。山頂は花畑で、カモメの巣が崖の途中にたくさんあり
ます。ここから眺めるオホーツクは何時間見てても飽きません。   
昨年は、ここの階段の途中でカラスの襲撃にあいました。巣があったみたい
で。帽子をかぶってたら全然平気ですし、蹴りにくるタイミングを見計らって
体をかがめると「空振り」になります(笑)              
毎年2月にはウトロ港で「オーロラファンタジー」が開催されます。夜、
レーザー光線で空に模様を描くショーなんですが、これがすっごい綺麗
なのでした。音楽もワリと良くて、これのCDあったら買いたいです(笑)
毎年初日はゲストがあって、昨年は宗二郎のオカリナ演奏と立松和平の
トークでした。今年もそうだったんじゃないかな?         
だいたい、昼過ぎにウトロに着いてオロンコ岩でボケっとして、それから
「ボンズホーム」という喫茶店(兼民宿)でハスキー犬のソラと遊びながら
コーヒーを飲み、夕方岩尾別へ向かうというのがいつものコースでした。


 
オロンコ岩から見た「ゴジラ岩」。
私は「ラクダ岩」と呼んでますが
ボンズホーム内部。顔は修正かけてます(笑)


■羅臼(ラウス)■
知床半島東側、国後島目の前の港。双眼鏡があれば、多分島の人も判別できる
だろうというくらい近いです。自然海岸に近いウトロ港と違い、外海に面した
ここはテトラポットの並ぶ、港町風情のただよう町です。有名な「知床旅情」と
いう歌は、ここが舞台ですね。(白夜にはならないですが、夏は20時半まで黄昏、
2時半には明るくなってきますから、白夜と言えないこともないのかも(^^;))
 知床横断道路を下ってきて、ラウスで南側へまがった直後の、国道335号の標識
に注目。「←国後島25km」というとんでもない道路標識があったりします(笑)


■知床五湖■
正直な話、ここはあまり(^^;) 水の風景は綺麗な場所を見すぎましたね。
慣れてない人には綺麗だろうと思いますが。             
ここで好きなのは、「一湖の断崖」(岩尾別YH用語)。一つ目の湖の裏手に
ササ原が広がってまして、その海側が断崖になっていてオホーツクの眺めが
良いのです。ちょうど昼寝するのにいい場所があって、いつかあそこで一日
ボーっとするのが夢(笑) こっちから見た一湖は遊歩道から見るよりずっと
綺麗だと思います。現在はクマが異様なまでに出るため、ササ原どころか湖の
遊歩道さえ立ち入り禁止のことが多いですけど。上から眺めるための展望台式
の木道ができたのですが、この真下をクマが歩いていることも多いとか(-_-;)
入り込んだ後の責任はとれないため、断崖へ行く道の入り方は隠しておき
ます(笑) ササ原の中は迷路だし。一見右側が海に近いように見えますが、
断崖までたどり着けるのは左寄りです。               
今でも各湖に名前がなく、一湖、二湖、と呼ばれてまして、雪溶けの頃だけ
六湖が出現します。ちなみにラウス岳登山道脇(銀冷泉少し手前の左手)
にも小さな湖が出現するので、勝手に七湖と命名してます(笑)    
あ、あと。ここのソフトクリームはおすすめ。         

■ラウス湖■
 秘境ではなくなりつつありますね。知床横断道路からみて、ラウス岳と反対側
の山を1時間ほど入り込んだ場所にある、北海道型をした広い湖です。今年
測量入ってたので、多分来年は全線木道敷きになっていると思われます。
かつては「腰までドロまみれになってたどり着くところ」だったのですが。
 最奥にある湖までは、湿原や沼が続きます。こちらも沼は5つ。知床五湖
よりずっと小さいですが、景色はこっちのが上だと思うなあ。とにかく道が
深いドロだらけでしかもクマの新しい足跡がいっぱい、というところなので、
安易にガイドブックに紹介されてるのを見ると、責任とれよーとか思って
しまうです。小人数では危険なので入らないほうが良いでしょう。大勢で
騒ぎながら歩くべし。(8人で行きましたが、それでも恐かった…。今年は雪解けが
終わってた上に晴天続きだったので、ドロ害がなかったのはラッキーでしたが。)
あと秘境といえば「天女の手鏡」(大阪在住の友人が命名して地元に広まった、
という湖)ですが、これは私も行き方知らないのでした。       


これは、ラウス湖へ行く途中の「一の沼」


■ネイチャーウォッチングボート■
「ボンズホーム」でとりまとめしています。小さな漁船に乗って、知床岬沖まで
往復するもの。行きは少し沖から景色を眺めつつ、ケイマフリ(渡り鳥)や
イルカ、時にはクジラとたわむれながら岬近くまで行き、弁当を食べた後は
岸沿いに帰ります。ヒグマやエゾシカ、オジロワシを探し、滝を真下から眺め
、 15時頃ウトロ港へ戻ってきます。ちょっとした異次元旅行の気分ですね。バス
の時間を伝えておけば、女満別空港からの最終便に間に合うよう戻ってくる
のも可能です。(ただし、もっと長く見学していたかったのに、と他の客に
迷惑かけることになることもあります。)夏場は日焼けに注意(笑)  
8名以上で波の条件の良い日のみ運行、変わってなければ6000円です。


イルカが遊びにきてくれたりします

■知床ネイチャーセンター■
地元の一部では破壊センターと呼んでるとか何とか…ごにょごにょ。
ナショナルトラスト運動(自然や文化財等を買い取って保全するもの)を一気に
有名にした「知床1万m2運動」の拠点で、ビジターセンターみたいなものですね。
ここのダイナビジョン(巨大映像:30分\500)がすごく好きです。知床の自然とか、
連山の空撮とかなのですが、この手の映像で毎回泣けるというのは、知床だから
なのかな。敢えて言うなら、この空撮。途中でぶちっと切ったりせず、空に出て
フェイドアウトしてほしいです。ホントに空飛んでるみたいで気持ちいいのに、
いきなり場面転換されるのはちょっとね。               
「乙女の涙」はここから崖に向かって行ったところにあります。ここもクマの
出没情報チェックのこと。冬は青白く凍り付いて綺麗です(^^)     

■ラウス岳■
岩尾別温泉の登山口から、往復7〜8時間。体力さえあれば初心者でも大丈夫
です。30分に1度はポイントになる場所があるので、何度登っても飽きない山
ですね。個人的には7月上旬、山開きの直後が好き。         
明るい林の中を30分ほど上がるとオホーツク展望。このへんからはずっと
見晴らしが良いです。水場は何個所かありますが、山頂直下の「岩清水」と
呼ばれる、岩から水が滴り落ちて来るところ以外はやめておいたほうがいい
です。エキノコックスというキタキツネの寄生虫や大腸菌が多分います。
(水場のすぐ上にトイレ場になってる場所があったりするのだ(^^;))   
連山が見え始める頃になると、あちこちに雪渓が出てきます。(7月下旬に消え
ます)水筒と一緒に袋に雪を詰めていくと、昼食時に冷たい水が飲めてオススメ(^^)
約半分きたところで、大沢の大雪渓に出ます。信州とかと違ってホントに雪で、
アイゼンは不要です。ここの登りはつらいです。雪が溶けた後は花畑になる
場所ですが。この雪の岩場だけで約30分。登り切るとラウス平で、  
国後(クナシリ)島が眼下に広がります。ここは夏は高山植物の花畑。ここから
登りはじめたあたりに岩清水がありますので、水の補給ができます。  
このあとは、軍手を出して、四つ足で登ると、30分ちょいで山頂です。ここの
眺めは壮観。晴れた日には、北海道の半分が見とおせるという、とんでもなく
眺望のきく場所です。真下に見えるラウス湖もミニ北海道型ですし。残念ながら
私は道東だけしか見たことないですが。ここでちょうどお昼時。昼寝をして下山
するのですが、帰りはつらかった雪渓が滑り台と化すのでした。これが好きで
7月アタマに登る私。丈夫なゴミ袋をワザワザ持参してるくらいですから(笑)
ただ、クレバスにつっこんで大怪我をした例もありますので、絶対大丈夫な
場所で注意しながら、スピードは出さないのを心がける必要性がありますね。
登山口には
無料の露天風呂群がありますので、バスの時間まで余れば入って
行くと良いでしょう。ただ、完全に「眺めるための風呂」と化してますので、
入るのには勇気が要りますね。女性はショートパンツで行って足だけ、
というのが安全かも。水着ですら入る気にはなれないです、あそこは(^^;)
一応一番奥の「滝見風呂」が女性専用ということにはなってますが、
すぐ横を人がゾロゾロ通って行きます(^^;)             

 
大沢の大雪渓。ここが帰りは滑り台
これで7月7日です
山頂奥の「一等賞の岩」にて、
「ラウス岳ユニフォーム」のJ氏…。
遠くに見えているのが国後島です



■セセキ温泉■
ラウスから岬に向かって延々行った海の中にあります。モトモト漁師さんが
入っていた、岩を組んだだけの小さなもの。水着が必要です。道路横に
公衆トイレがありますのでそこで着替えられますが、迷惑にならないよう。
やはり宿で下に水着着ていって、脱ぐだけにしておくべきでしょう。  
ここは濱澤さんという方が一人で管理されてます。満潮になると水没するため、
干潮時に潮水をかき出してポンプで湯を入れる、という作業を毎日何度もして
くださっているワケです。協力金を払うのは勿論、できれば昆布等も買っていき
ましょう。ここの昆布はオイシイですよん(^^) 羅臼昆布と利尻昆布は双璧ですね。
満潮中・後は水没して湯を入れ直すので入れません。干潮時間を確かめてから
行くべし。ベストは満潮で水没する直前。波をかぶっていてホントに海の中にある
ようなんです。ただし、真夏以外は波しぶきで寒いです(^^;) 国後島の眺めがいいです。


セセキ温泉にて、ヤロー組…。いや、お見苦しいものを(^^;)
ホントはこの向こうに国後島が見えます。


■相泊温泉■
ここは一応壁と屋根がついているので、女性でもタオルだけで入浴可。
海側は開いています。ただ、セセキほどの野趣はないですね。ここは満潮時
でも水没しないため、運悪くセセキに入れない時はこっちにまわってます。
このすぐ先、道路の尽きる場所に「熊の穴」というラーメン屋さんがあって、
地の果て到達証明書がもらえます。馬鹿ラーメン(馬肉と鹿肉)やトドラーメン、
クマラーメンなど、面白い&おいしいです。店長さんが肉の説明して
くださるのも好きだな。                    

■薫別(くんべつ)温泉■
旅人の間で密かに知られていただけなのに、最近はすっかりメジャーになって
しまった元秘湯。私が行った頃はまだ秘湯と呼べたかな?未舗装の林道を30分
ほど、途中からは小さな道標(今は大きな看板立ってる可能性あるかも(^^;))が
続くので、それをたどって行くと、橋を渡ったすぐ左手の川横にあります。
岩のくぼみを利用したような温泉で、5人くらいしか入れないんじゃないかな。
コケや水草だらけで、ホントに「岩の横から湧き出した温泉を川の水で
ぬるめて入る」もの。クマが入ってたりすることもあるとか。    

薫別(くんべつ)温泉岩風呂
  


■カムイワッカの滝■
あんましコメントしたくないなあ。観光バスが入るようになって、秘湯の趣は
皆無です。ここは強酸性泉で、「体に悪い」温泉と呼ばれてます。足にケガ
してたら行っちゃダメです(笑) 岩場を沢登りするのですが、とにかく
すべるすべる。私はすぐリタイヤしました。破れてもいい靴下二枚重ね
くらいで歩くと良いみたいです。沢登りの苦手な人は、道路すぐ下の滝壷でも
入れるらしいのですが、ここは観光客の目との闘いですね。     
ここでゴミを散らかしていく人が多く、味をしめたヒグマとのトラブル
も多いです。ゴミはこぼしてもダメです。捨てるとか、餌付けを図るなんて
もってのほか。観光客の不注意が、まわりまわって駆除や餓死の形でヒグマ
やキタキツネを殺しています。絶対気をつけてください。

■オシンコシンの滝■
網走から行くと、ウトロのすぐ手前の道路際にある滝。知床半島最大規模
だと思います。秋はこのすぐ下の川でサケの遡上が見られます。林道が
滝の上を通ってまして、上から滝を見下ろすのも可能ですが、私は下から
見たほうが良いと思うです。                
さらにウトロ寄りに三段の滝もあって、ここは本州的な雰囲気。
(小さくまとまってるというか。最近小さな駐車場ができました)

岩尾別より、冬の知床連山
  


(そのうち写真がもう少し増えるかも)



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