白神山地

LAST UPDATED: 2000/11/05(2003/05/25追加)




青森県と秋田県にまたがる広大な山地で、世界遺産条約の日本での
初回登録ということで、屋久島と共に一躍有名になりました。
核地域については一部立入制限も行われているため、登山者以外は、
範囲のギリギリ外側にある十二湖(秋田県岩崎村)を訪れることを
お薦めします。鉄道マニア人気ベスト3に入るJR五能線の
十二湖駅から歩くこともできますし、大抵列車にあわせてバスが
運行されてます。また、弘前方面からバスになりますが、ミニ白神
といってブナ林の中でのハイキングや温泉入浴ができる場所もあります。



実は世界遺産登録より前に、林野庁の森林生態系保護地域に指定されて
いて、既に立入制限があったことは意外と知られていないです。私がここに
関わるようになったのは、青秋林道がブナ原生林の核心部分を通る、という
反対運動の頃でしたので、もう15年ほど前になります。ほんの10年ほどで
世論ってこんなに変わるのか、と感慨深いと同時に、見たいようにしか
ものを見ない人間の感覚に憎しみすら覚えた記憶があったりします。
当時の関係者が、どれだけ苦労なさったと思うのでしょう、と。
(もっとも、直接の行動をしなかった私にも、何を言う権利もないんですが…)




■十二湖■

展望台になっている大崩山から12個見える、というのでこの名がありますが、
実際には33あるようです。有名なのは、信じられないような深いブルーの青池
で、昔テレビのインタビューで「毎日役場の人間がインクを流しにくるから
こんな色なんですよ(笑)」と冗談で答えてらっしゃったのが印象に残って
ます(笑) あと、沸壷池は水が湧き出しているために水温がまわりと異な
っているらしく、いつもかすかな霧がかかっていて神秘的です。ここの水を
使って、無料でお茶をたてて下さるのは、10年前からかわりません。
10年前はそう思わなかったのですが、久しぶりに行ってみると、すべての
池がやたらと絵になって綺麗でした。時間配分間違えた、ここで1日つぶせ
ばよかった、と思いました。


青池


■日本キャニオン■

十二湖へ行く途中、白い岩肌が露出した崖がありまして、日本キャニオンと
呼ばれています。…この名前は問題アリだと思いますが(^^;)
今は上から崩れてしまい、数年前より白い部分が減って茶色い土が見えて
いるのが残念ですが、新緑やヤマツツジが咲く頃は綺麗だと思います。
遊歩道を10分ほど歩いた場所に展望台がありますが、休憩所のある場所より
そのすぐ奥のベンチのある場所のほうが見晴らしは良いです。みんな
奥があるのに気付かず戻って行くので、もう少し歩いてみてほしいです。




■大崩展望台■(2003/05追加)

青池の横に登山口があります。ここには「崩山まで3.3km」との道標が立って
いますが、嘘です。大崩展望台(崩山の肩に当たります)まで3.4kmというのが
正解かと。ここから崩山山頂までさらに1kmほど。現在は道が崩れ落ちていて
付け替え道はありますが、いつ崩れるか不安になるような道になってます。
「十二湖」の名前の由来は、この展望台から見ると12の湖があるように見える
からですが、実際には12も見えない気がします(^^;) 一応登山道なので、
一部キツいところがあるのと、踏み跡が多くて道がわかりづらいのとで、
山の経験がない人だけで行くのはやめたほうがいいかと思います。実際には
ポイント毎に測量杭が打ってあるため、よく見れば大丈夫ですけど。ちなみに
杭には番号が打ってあり、ほぼ中央のベンチで55番、大崩で117番になります。
なお、最初の数百メートルは鶏頭羽池の横を通るなだらかな道で、5月上旬は
ニリンソウの花畑になりますから、ちょっと立ち寄るには綺麗な道です。
なお、私はGWに一人でふらっと登ったのですが、途中はぐれ猿に先行されて
しまって警戒を余儀なくされた上、雪渓が残っていて渡るのに苦労しました。
人もほとんど歩いていないので、久しぶりに熊鈴を鳴らして歩きましたし(^^;)




■サンタランド■

十二湖とは道が1本違います。コテージやレストラン、サンタ郵便局等が
あります。ここのポストに、フィンランドまで届けてくれるサンタポストが
あった筈。…確か10年前はこれ、駅前にあったと思うんですが、今は歩くの
ちょっとつらい位置ですね。

■ガンガラ穴■

十二湖より少し北にある洞窟。JRで深浦方面からやってくると、十二湖駅
直前のトンネルの途中で、一瞬だけ見ることができます。一瞬だけなために、
かえって一種異様な雰囲気ですね。車で探したんですが、どうやれば見られる
のかわかんなかったです。洞窟より北側の浜は「西の河原」になっていて、
これは近づけます。ちょっと一人では行きたくない雰囲気でしたが…。

■白神展望■

深浦と十二湖のほぼ中間にある、国道沿いの展望台。海の上に白神山地が
浮かんで見えます。残雪の頃が綺麗です。



■千畳敷・風合瀬海岸・深浦海岸■

白神山地の西海岸はどこも景勝地になってます。特に千畳敷は広々と
していて、岩場も奇岩怪石といった趣を持ってます。お弁当広場に使う
と良いのではないかな。不老不死温泉など、海を見ながら入れる露天風呂
(日帰り入浴可、有料)がいくつかあります。大抵混浴ですが、不老不死
だけ女性専用ができたと聞きました。
 また、この一帯は「夕陽海岸」と呼ばれてまして、海への落日が見事
だそうです。残念ながら見たことないんですけど(^^;)

■快速白神号■

1日2往復、かな。弘前から東能代まで、大半が五能線になりますが、
JRが運行している観光列車です。千畳敷や十二湖で下車・観光できる
時間をとり、夕暮れには徐行する、という至れり尽くせりの列車。
車窓からは海が目の前、風の強い日は波が線路にかかるような路線
ですので、鉄道マニアでなくても乗る価値はあると思います。

■ブナの里■

これは東側から入ることになりますが、白神ラインと呼ばれる林道の東端
に、温泉宿泊施設が3つ点在し、さらにビジターセンターや遊歩道が
あります。林道の舗装最終地点からは暗門の滝ハイキングコースが延びて
いて、シーズン中は毎日、西目屋村役場から日帰りバスが出ています。
そこからさらに未舗装のワイルドロードを行けば、日本海側へ出られます。

      日本キャニオン   鶏頭場池より大崩山





TOPに戻る  旅人の賦表紙へ