LAST UPDATED: 99/05/05




弘川寺 當麻町 角館 淡墨桜 長谷寺 吉野 又兵衛桜 弘前城 大野寺 高遠城址


 通常は、桜といえばソメイヨシノですけれど、サクラという木はなくて、そ
れぞれいろんな名前を持っています。大きく分けると、サトザクラ系、ヤマザ
クラ系、カスミザクラ系、の3つですね。
 私はどっちかというと枝垂れ桜が一番好きで、次いで山桜、染井吉野、好き
じゃないのが八重桜。大坂の「造幣局の桜の通り抜け」は有名ですけど、ここ
は八重桜なので、私はあんまり好きでないです。


■弘川寺(大阪府南河内郡河南町弘川)(1998.4.1.七分咲き)(1999.4.4.満開)(2002.3.30.満開)

  願はくは 花の下にて 春死なむ その如月の 望月のころ

       西行墳


 大和葛城山の中腹にある寺で、ここはほとんどがヤマザクラです。上記の短
歌で有名な西行法師の墓があり、この句の歌碑もあります。この句はちょっと
私にとって特別なので(最愛の猫・マリーはこの句のままだったんですが)、
みつけた時はもうタイヘンでした。奈良県・吉野だと思ってたのに、まさか大
阪にあるとは(^^;)
 寺の裏山、谷一つが桜に埋もれるように咲きます。1000本あるんだったかな。
本坊(有料)には天然記念物のカイドウザクラがありますが、イマイチ。それよ
り庭にあるソメイヨシノの大木が見事です。
 ソメイヨシノは、街で見るにはベストの花ですが、山で見るなら絶対ヤマザ
クラが好きです。儚げな風情がしみじみと良いのです。一人、または二人くら
いで、何も言わずに眺めながらゆっくり歩く。そんな散策が理想ですね。

 

 弘川寺から北へ車で5分ほど、河南町平石の府道沿いの桜並木も見事です。
道路の真ん中に犬が堂々と寝そべっていて、クラクション鳴らしたってどかな
いのが牧歌的(笑) そのつきあたりの高貴寺も雰囲気が好き。ムササビもいる
し。ここにはシダレザクラの「臥龍桜」があります。ただし、バスで行くと、
弘川寺(「河内」行き)と高貴寺(「平石」行き)ではまったく路線が違うので、
移動はタイヘンかも。

 幽霊話で恐縮ですが、「平石トンネル」というのが平石城址の下をくぐって
まして、5年程前は「落ち武者の幽霊が出る」とテレビ局まで来たそうです。
南北朝時代に戦乱の地だったためか、葛城山〜金剛山のあたりは、みんな当然
のように幽霊話を口にしますね。特に千早赤阪村の裏金剛(ロープーウェイ
乗り場がある)あたりは、霊感強い人は夜通らないほうが良いそうです(^^;)


■當麻町住宅街の枝垂れ桜(奈良県當麻町兵家)(1997.4.10.満開)(2000.4.15.満開近し)


 ここはちょっとわかりにくいです。県道御所香芝線の、竹内交差点の一つ南側の信号を西へ曲がり、とにかく住宅街(當麻イトーピア、でいいのかな)の一番奥へ上がります。ここが一面シダレザクラの公園になっているのですね。残念ながらピクニックシート持ち出しての花見客もいますが、宴会はしてないかな。すごい見事で、超穴場ですね。
 まあ、かなりわかりにくいので、地元の人以外には難しいかも(^^;) 私も偶然当麻町観光協会の人に聞かなければ、全然知らなかったでしょう。

■角館の武家屋敷(秋田県角館)(1995.5.2. 散り終わり間近)

 角館の駅から数百メートル、武家屋敷が並んでいる通りがあります。ここが
枝垂れ桜が並木になっているため、ゴールデンウィークの頃は見事−−と聞い
て、それが見たくて出かけた東北。しかしこの年、桜は早かったのでした(;_;)
 武家屋敷の雰囲気は良いです。ここが満開の頃はすごいだろうなあ。
 ちょっと横にそれたあたりの川も、ソメイヨシノでトンネルになってます。


■淡墨桜(岐阜県根尾村)(1996.4.21.満開)




 一部ではとても有名ですが。根尾谷にある古木です。真っ白な花なのですが、かすかに墨を流したように黒く見えるため、淡墨桜という名になったのだそうで。岐阜市内に住む友人に前日から泊めてもらい、早朝一番に車で出かけて始発が来る前に着いたのに、もう駐車場はいっぱいだったという(^^;)
 老木で支柱だらけで人も多くて綺麗じゃない、と聞かされていたのでちょっと覚悟していたのですが、何の。見事でした。風格のある桜ですね。あまりハデなものを期待して行くとがっかりするかもしれませんが、サクラの古木だけが持つ独特の雰囲気は、一見の価値有りだと思いました。



■長谷寺(はせでら)(奈良県桜井市初瀬)(1999.4.10. 散り始め)(2000.4.15.満開)

 ボタンで有名な寺ですが、実は1年中何か咲いている「花の寺」です。勿論ボタンの見事さは類を見ないのですが、他に見事なのが桜。こんなにすごいと今年まで知らなかったのですが(^^;) 全山が桜で埋もれ、、雪柳やレンギョウ、木蓮も一緒に咲き、カエデの新緑も綺麗です。回廊を上り詰めた本堂から見る、谷を吹き上がってくる花吹雪は壮観でした。久しぶりに風景で泣きました(^^;)


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■吉野(奈良県吉野郡吉野町)(1999.4.12. 中千本散り初め、上千本満開)(2000.4.16.下千本満開、4.22.上千本満開)

 今更何を、と思われる、関西随一の桜の名所。以前一度「桜が散った翌日」に行ったことがあり、人の余りの多さとたいしたことのない風景にずっと関心なかったんですが、代休がとれたので、一代決心して(笑)行ってきました。
 4月中は交通規制されてますが、休日以外は朝一番なら通れるので、日の出前に出て昼帰ってきました。ちょうど上千本が満開。本当に山全体が桜なんですね。ヤマザクラなのでソメイヨシノのような見事さはありませんが、有名なのが実感できる壮大さでした。絵になるのは(実際ポスターによく使われているのは)上千本から見た蔵王堂方面ですが、個人的には中千本の谷間が最も綺麗だと思います。
 月曜日なのに10時にはもう大混雑。あれは平日の朝ひっそりと見に行く山ですね。カメラマンは日の出前からウロウロしてますが(笑)
 なお、西行に関心のある方は是非西行庵へ。あまりの小ささ、質素さに愕然としました。ここに季節を通して座り続けた僧の姿を想うと、自然と頭が下がります…。


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■本郷の又兵衛桜(奈良県大宇陀郡本郷)(1999.4.12. 散り始め)(2000.4.15.満開近し)

「かぎろいを観る会」で一部に有名な、秋騎野にある1本桜です。滝のように見事なシダレザクラで、周辺の桃も綺麗です。も少し菜の花が多かったら完璧ですね。普段観光客はいないだろうな、と思われるのどかな山里に、桜の季節だけは沢山の人がやって来るようです。

 その他の写真
 
  



■弘前城(青森県弘前市)(1999.5.01.満開過ぎ)(2000.05.04.満開)




 日本一の桜の名所、という話は以前から聞いていましたが、いや、実感。何と言うか、単木で銘木として登録されそうな風格のある桜の古木が並木になっている、という贅沢さなのです。夕方から夜桜にかけて行ったのですが、本丸がシダレザクラの海だとは。知っていれば、桜のトンネルは後にして明るいうちに本丸入ったのに(;_;)←ソメイヨシノよりシダレが好きなので
 ゴールデンウィーク中は桜祭りをやっているのですが、ものすごい混雑なので、やはり朝がオススメでしょうか。ちなみに、5/2の朝行った人の話によると、葉桜だったそうです。一晩で散ってしまったようで(^^;)
 なお、弘前市のホームページで写真が見られます。今年は4/29が見頃だったらしいです。



■大野寺(奈良県室生郡大野)(2000.4.15. 満開)

シャクナゲで有名な女人高野、室生寺から川を下ってくると、近鉄駅近くにある摩崖仏の寺。庭に立派な枝垂桜が数本あってそれが有名ですが、その奥の小道沿いが一面花で埋もれているのが印象的でした。桃源郷の再現、という印象です。




■高遠城址(長野県伊那郡高遠町)(2002.04.13.散り初め)


 「天下一の桜」として名高い桜で、コヒガンザクラです。ソメイヨシノとは花の形が違い、非常に可愛い上、ピンクの色が濃いので、満開の頃はとても華やかでしょう。バスツアーで行ったのですが、この前日だとまだギリギリ満開の域にあったのに、新米添乗員だったのが悪いのか、旅行会社に甲斐性がないのか、すぐ横を通りながら立ち寄りもせず、翌日昼過ぎに着いた時には、朝からの強風でほとんど散っていたのには泣きました。やはりツアー使うとダメですね。
左の写真は縮小するとよくわかりませんが、池が全面花びらで埋まっているのです。これだけは凄かったです。


 





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