尾瀬

LAST UPDATED: 2001/11/11




尾瀬と一言で言いますが、群馬県が中心となる尾瀬ヶ原と、福島県が中心となる
尾瀬沼の、大きくは2つに分類されます。温泉が湧き、滝が続く新潟県側を合わせ、
尾瀬とは3つの県にまたがる広い地域を指します。それぞれが、関東・中部・東北
に分類されることを考えれば、特殊な地域だと理解しやすいかと思います。


霧の尾瀬沼

尾瀬に入るには、必ず峠越えをして歩いていかなければなりません。尾瀬ヶ原
側の鳩待峠、尾瀬沼側の大清水(三平峠)、沼山峠がメインの入山路となります。
この他にも、御池口、奥只見ルート、燧裏林道、富士見峠ルートなど、入山口
はいくつかあります。鳩待峠と沼山峠からだと、どちらも下り1時間弱で
メインの場所に出られますが、その分混雑もひどいようです。
原と沼を縦断するのは可能ですが、距離は30kmほどあるため、途中で1〜2泊
必要です。(日帰りもやってやれないことはないですが、疲れるでしょうね(^^;)
最終バスも早いので、早朝から昼過ぎまで必死に歩かないといけませんし。)


■尾瀬ヶ原


池塘に映る燧ケ岳



尾瀬の西半分、ほとんど平らな湿原の中に木道が続いている風景は、大抵はこの
尾瀬ヶ原です。周囲を山に囲まれた中に湿原が続いているのですが、途中何本も
川を渡りますし、林も出てきます。西の山ノ鼻から、上田代、中田代、下田代と
続いて、下田代十字路(見晴)までですね。この他にも、北部にヨシッポリ田代、
赤田代など、湿原と一言で言ってもいくつか分類されてます。西は高層湿原、
東は低層湿原なので、少しずつ性質も植物も異なっています。ほぼ中央に竜宮
十字路と呼ばれる場所があり、「竜宮現象」と呼ばれる、水が湿原の中に潜って
いき、また湧き出してくる現象が観察できます。結構大きな魚がいてびっくり。
施設が集中しているのは山ノ鼻と見晴で、山小屋が喫茶店や土産屋を兼ねている
ため、登山の格好しているのにケーキセットが食べられてしまうという、なんだか
間違っている気分になる一帯ですね(^^;)(食事付きの山小屋にもまだ慣れないです)

 
湿地とはいえ、木も結構生えてます
朝には霧が出ることが多い
 
湿原では時々
しっかりした川に出合います
シーズンは渋滞を起こす木道
何故日曜日なのに空いてたんだろう


■尾瀬沼
尾瀬ヶ原より、白砂峠を越えて200mほど標高が高い場所に広がる沼で、その周辺
に、小田田代などの湿原が点在しています。原と沼の間は、一応ハイキング程度
の山道になっているので、通常は2時間ほどかかるようです。(私は1時間で歩き
ましたが、道細いので混雑してたら無理でしょう。人っ子一人いないのに熊注意
の看板が続くため、怖くてトウガラシスプレー握り締めて早足、という(^^;))
沼は、東側から見ると、燧ケ岳が正面に見えます。西端の沼尻に休憩所と蕎麦屋が
ある他は、大抵の施設は東側に集中しています。尾瀬で最も古い歴史を持つ山小屋・
長造小屋には別館の喫茶店があり、そこの雰囲気がなかなか良いです。



長蔵小屋別館


■滝めぐり
下田代から北部、只見川に沿って山道を下っていくと、平滑滝、三条滝
2つの大きな滝があります。さらに奥只見に向かっていくといろいろある
とは思うのですが、尾瀬から日帰りするのはこの2つがメインです。
通常は、温泉小屋を起点として、往復3時間ほど。急坂を下ります。
近いほうの平滑滝は、滝と言うり急流と言ったほうが近いですが、川に
張り出した岩から見下ろすと迫力です。三条の滝まではここから足場の
悪い急坂を下るので、老人や子供連れにはあまり薦めません。冬場は吊橋
を外しますが、正面から見られる展望台があります。あの湿原のどこから
これだけの水が、と聞きたくなるほどの、豊かな水量を誇る大きな滝です。
なお、起点となる温泉地区には、温泉小屋と元湯山荘の2つの小屋があり、
どちらも日帰り入浴可能ですから、疲れた足を休めるには最適です。   



↑平滑の滝までは、大して坂もなく、
温泉小屋からの往復は容易です。
一部はしごはありますが。
←三条の滝。
行くのは大変ですが、迫力です。


■尾瀬の主なルート(出入口が違う場合は逆コース可)■
○日帰りコース○
@鳩待峠から入り、牛首または竜宮まで、往復
A沼山峠から入り、尾瀬沼東岸まで往復か、大清水へ抜ける
○1〜2泊コース
B鳩待峠から入り、尾瀬ヶ原・尾瀬沼を縦断し、沼山峠又は大清水へ抜ける
 午後から入るなら山ノ鼻又は尾瀬沼で1泊増やし、基本は竜宮か見晴で1泊
C鳩待峠からあやめケ原経由、または富士見峠から入り、翌日いずれかの方向へ出る
D奥只見湖を船で渡り、只見川沿いに登って途中1泊、翌日温泉地区へ出る。
さらに翌日いずれかの方向へ出る(滝めぐりコースと一部重複)
E御池から入り、燧ケ岳登山を経て見晴へ。翌日はいずれかのコース
F鳩待峠から至仏山登山を経て山ノ鼻へ。翌日いずれかのコース

入り口となる峠や、途中のハイキングルートは多数ありますので、どんな
組み合わせも自由ですが、初めての人には@ABのいずれかが無難かな。

 
三平峠を少し大清水側に下った
三平見晴し
雨模様だったのですが、
この風景見られてラッキーでした



■ベスト訪問シーズン■
冬場は道路は閉ざされて、一般の人は近づけません。毎年
ゴールデンウィーク頃から11月上旬までが入山シーズンです。
@水芭蕉の頃…5月中〜6月上旬
Aワタスゲの頃…6月下旬〜7月上旬
Bニッコウキスゲの頃…7月中〜下旬
C草紅葉の頃…9月下旬〜10月上旬
D樹木紅葉の頃…10月上旬
ちなみに2001年は、Bが7/20、Cが9/23、Dが10/8と、ピークが全て
三連休に重なってました。かわりに人もすごかったのでしょうね。


■全然参考にならないコースタイム■
鳩待峠15:34−(3.3km/30分)−山ノ鼻16:04(宿泊)5:30−(4.4km/140分)−竜宮
7:50−(1.7km/35分)−下田代十字路8:25〜9:00−(1.8km/30分)−温泉小屋9:30
−(15分)−平滑滝9:45〜9:56−(26分)−三条滝10:22〜10:37−(1.8km/30分)
−温泉小屋11:07〜11:45−(2.2km/35分)−東電小屋12:20〜12:37−(2.5km/44分)
−ヨッピ橋経由・竜宮13:21−(1.7km/24分)−下田代13:45(宿泊)6:34−(4.0km
/51分)−白砂峠7:25−(1.0km/15分)−沼尻休憩所7:40〜7:53−(3.5km/32分)
−長蔵小屋別館8:25〜9:03−(2.0km/33分)−三平峠9:36−(3.0km/41分)−
一ノ瀬10:17−(4.0km/63分)−大清水11:20 (距離はやや不安アリ)

たらたら歩いて写真撮ってた湿原内はともかく、ハイキング道は意地になって
歩いたので、普通はこの倍の時間見て下さい(^^;) 自分はさくさく歩きたく
とも、人がいるとそうはいきませんし。あ、上記は小休止も含んでます。




(5年前に行った時の、積雪3mの尾瀬沼も、写真発見次第飾りたいです)


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