乗鞍・上高地

LAST UPDATED: 2002/01/01





牛留池に写る乗鞍岳

信州の玄関口・松本から、ほんの1時間ほど東の山中へ分け入ったところに、
「信州」を代表する景勝地上高地があります。この周辺には、乗鞍高原
新穂高温泉郷、白骨温泉といった観光地が集まり、夏場の避暑地としては
過ごしやすいところです。その分、混雑もとんでもないのですが。
個人的には、大混雑する松本側よりは、飛騨高山側から入るのが好きです。


■乗鞍高原
乗鞍岳の中腹、標高1200m〜1500mに広がる広い高原で、ペンション街になって
います。温泉は白濁していて雰囲気があり、日帰り露天風呂もあります。
白樺と落葉松が続く穏やかな風景の中に、池や滝が点在し、長期滞在するにも
良い場所じゃないかな。春の水芭蕉、夏の登山、秋の紅葉、冬のスキーと、
四季を通じて何かしらポイントがあります。車で行ける最高標高地点である
畳平駐車場までは、無料の県道で30分〜1時間ほど。標高3016mの、乗鞍岳
主峰・剣ガ峰までは、シロウトでも、車を降りて往復3時間ほどです。
畳平周辺は高山植物のお花畑になっており、近くの大雪渓では夏スキーも
楽しめます。なお、岐阜側からは有料のスカイラインが通っています。

 
剣ガ峰から見た畳平方面
山頂からは御嶽山が目の前

中央には、一ノ瀬園地があり、キャンプも可能です。白樺の林の中に草原と
池、湿原が続き、ゴールデンウィーク頃には水芭蕉の名所となります。
ここから牛留池善五郎の滝方面へハイキング道が続いています。

 
9月の一ノ瀬園地
から見る乗鞍岳
同じ場所の5月
水芭蕉が咲きます
 
園地内の木道と木
夏場は馬が放牧されてます


善五郎の滝、三段滝、番所大滝など、大きな滝がいくつかあります。一ノ瀬園地や
国民休暇村を起点に、すべて歩いてめぐるのも良いかも。ただ、三段滝はかなり
山の上です。通常はバスで三段滝入口まで行き、そこから徒歩30分ほどですね。


善五郎の滝展望台より、滝の上に浮かぶ乗鞍
滝壷近くも行け、虹がかかることもあります



■上高地
言わずとしれた、信州の代表的な景観地。年間通して一般車は制限されており、
東の沢渡温泉か西の平湯温泉の大駐車場へ車を置き、そこからシャトルバスに
乗り換えます。駐車料金\500、バス往復\2000ほど。松本や新島々からの直通
バスも多く、高山や乗鞍高原、乗鞍畳平からのバスも多少あります。
その他、各地からの長距離バスや観光バスが、シーズン中は大渋滞を起こし、
特に整理券の要らないシャトルバスは、帰りに2時間待ちなどになります。
個人的には、近くに泊まって翌朝一番(夏場は5時頃、冬近くでも6時頃から
バスはあります)のシャトルバスに乗り、朝靄の大正池を見ながらのんびり
して、混雑の始まる昼までに下山するのがお勧めです。大正池からカッパ橋
までゆっくり歩いて1時間、カッパ橋から明神池まで往復2時間。これに
喫茶店や温泉に入ったりのんびりする時間をプラス、くらいでしょうか。
道路は11月中旬から4月まで閉鎖されるため、その期間は、歩いて入山
することになります。冬山装備が必要ですし、釜トンネルを歩いて登るのは
かなり勇気が要りますが。新緑が5月中旬、紅葉は10月中〜下旬です。

 
朝靄の大正池
有名なカッパ橋

■白骨温泉
乗鞍高原からスーパー林道で30分、上高地の入口・沢渡温泉からは県道で15分
ほどの場所にある小さな何もない温泉街ですが、年中にぎわっています。白濁
した温泉で、「一度入ると3年風邪をひかない」と言われています。混浴の
巨大露天風呂がある泡の湯旅館(昼間のみ外来可)と、男女別で川沿いにある
村営の野天風呂が代表的。他にも何件か外来入浴可能な宿はありますが、
どれも時間に限りがあります。野天風呂が超お勧め。せせらぎの音を聞き
ながら白い湯につかるのは極楽です。男性用からは巨大な岩橋も見られます。

 
白骨温泉野天風呂入口
ここから川へ向かって下ります
男性用は眺めがいいかわりに
道からも見下ろせます

■平湯温泉
上高地の西の入口。飛騨高山から1時間ほど。かつては安房峠越えの道が
シーズン中は動かなくなったりしたものですが、トンネル(有料)ができて
以来、冬でも5分ほどで松本側へ抜けることができるようになりました。
今でも通れる峠道は、走り屋にはとても楽しいワインディングロードで、
私は確実にこっちを通りますね(^^;) 峠近くから、上高地乗鞍スーパー林道
(有料)が白骨温泉まで抜けていますが、この区間はかなり荒れています。
穂高山脈方向の眺めは良いです。一度ここで雷鳥に横切られて驚きました。

温泉街から少し離れたところに、平湯発祥の温泉「神の湯」があります。
一応男女別。森林の中の岩場に湯が湧いている雰囲気で、なかなか良いです。
初めて行った時にちょうどカモシカがぶらついていて、手元の匂いを嗅ぎに
来るくらい人慣れしたヤツだったのですが、面白い光景を目撃しました。
足を踏み外した瞬間はさすがに、あっけにとられて撮影できませんでした。
残念。いや、ビデオで撮っておきたかったですね、あれは(^^;)     
 
1.ぶらぶらと近づいてきたカモシカ
2.多分、上の草を食べようとしたんでしょうが…
悲しいかな、足場が崩れたのでした
 
3.四足でぶら下がったんですよ。
こんなことできるんですね。初めて見ました。
4.「見ーたーわーねー」


■新穂高温泉郷
平湯温泉から富山側に向かって、新穂高温泉郷と呼ばれる地帯が続きます。
ひとまとまりではなく、いくつかの温泉地の総称です。ポイントは新穂高
ロープーウェイ。標高2700mまで一気に上がることができ、山頂駅は、
西穂高岳まで2時間の距離です。途中で乗り換え駅があり、バス停は
下にしかありませんが、車だと第二ロープーウェイ(白樺駅)まで行く
ことができます。駐車場料金は少し高く、駅からの距離も遠いですが。

目の前に笠ケ岳、遠望する槍ヶ岳乗鞍岳、かすかに奥穂高岳、と
かつてはアルピニスト以外には見ることのできなかったダイナミックな
日本アルプスの光景が広がり、少々混んでいても行く価値あると思います。

 
山頂駅から見下ろすゴンドラ
山頂駅周辺は坪庭のよう



■飛騨高山
これは、高山側から入った時の寄り道コースですが。小京都とも呼ばれる古い
町並みが続く地域と、茅葺き屋根の伝統的な山村や高山祭を再現したテーマ
パークなど、全部ゆっくり回ろうと思うと一日ではとうてい無理ですね。
春の桜、秋の紅葉が綺麗な町です。列車待ちに回るのでしたら、陣屋を中心
とした歴史保存地区の通りをそぞろ歩くのがおすすめ。祭会館や飛騨の里は
歩きでは少し遠いです。駅前で自転車を借りる手はありますけれど。
町外れの城跡では、夏にツツジが綺麗です。ちょっとした散歩に良い町ですね。


高山駅より徒歩15分ほどです

乗鞍方面からの道の途中には、秋に一面のコスモスが咲くゴルフ場や、大滝
鍾乳洞があります。大滝鍾乳洞には、大橋記念館という個人所有の博物館が
問答無用で付いてくるのですが(記念館を抜けないと鍾乳洞に入れない)、
触れる金塊をはじめとして、アヤシイ骨董品が山盛りで、個人的には非常に
好きです(笑)細工の凝った大瓶など、他ではちょっと見られないのも多くて。

 
祭り会館。地車は実際に
からくり実演してくれます
飛騨の里。茅葺の家など
が保存されています




スカイライン終点近くの摩利支天岳



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