秋吉台

LAST UPDATED: 98/12/19
(2001/12/23 追加)




とりあえず先に用語解説。
カレンフェルト…石灰岩(カレン)がたくさん点在する野原(正確にはちと違う)
ドリーネ…下の空洞に向かって地面が陥没してできたすり鉢状の窪地
ウバーレ…ドリーネが重なってできた大きな窪地


 ここも、リピーターやってる場所の一つです。初めて行ったのが7年前の
夏、それ以来5回目かな、6回目かな。毎年複数回の北海道や東京、名古屋、
日帰り可能な近場を除けば、安曇野と並んで訪問頻度の多い場所でした。


 東洋一のスケールを誇る鍾乳洞「秋芳洞」(教科書では「しゅうほうどう」
と習った気がしますが、「あきよしどう」が正しいです)のある場所ですが、
私はむしろ上の台上と呼ばれる草原が好きでした。ただひたすらだだっ広い
草の丘で、点々と石灰岩が転がっている風景なのですが、何かあの雰囲気
が好きですね。人によっては気持ち悪いと感じるらしいですが。それに、
いつ、下に広がる鍾乳洞に向かって地面が陥没してもおかしくないとも
言えるので、実際、歩いてて恐いと感じることも多いです。(特に地獄谷周辺)

 バスは普通は秋芳洞まで。そこから先は歩いて25分(少ないけどバスもある)
ほどの登りで、展望台へたどり着きます。私は大抵、秋芳洞に入って中を抜け、
中央のエレベーターで上へ上がるようにしてます。エレベーター出口からなら
5分程度で台上へ出られます。。暗い針葉樹林の中の道を登り切ったとたんに
広々とした草原が広がるので、あれはちょっとびっくりしますね。     
 秋吉台の中でも、カレンフェルトになっているのは、展望台近くと北側の
地獄台〜真名ケ岳付近だけで、あとは石は点々とあるだけです。ここは
森林を切り開いた後、火入れによって草原を維持しているため、周辺は普通
の森なんですが。それでも、中央付近にぽつんと小さな原生林が残る
長者ケ森は、やはり異様です。朝はキジがけたたましいところですね。


右奥のこんもりしているのが長者ケ森

 私が好きなのは、若竹山真名ケ岳中腹。若竹山は、大抵の人が行く場所
ですね。展望台から徒歩10分、馬車もあります。そこからさらに40分ほどで
長者ケ森。ここは道路に接していて、駐車場もあります。(昔はバス停が
あったようですが、今はないです。売店はあります)
 真名ケ岳はそこから帰り水ウバーレの横を下って上がった小高い丘で、
滅多に人はいないし(実際ここで人と会ったことはない)、カレンの林立や
朝霧が独特の雰囲気を持っているところです。長者ケ森から20分くらいかな。
ここから人工林の中を1時間弱下れば、大正洞というまた別の鍾乳洞に
出ます。バス路線がありますので、バスで帰ってくることもできます。


若竹山

 大正洞、影清洞(とトロン温泉)、サファリパークは、それぞれ徒歩15分
くらいの三角形の立地条件です。東萩秋芳洞をつなぐバス路線の中間に
位置し、それぞれバス停がありますので、時間の調整に成功すれば、全部
バスで移動できるかな。本数は少ないですが。この路線は唯一、台上を
走ります。(他の路線は下の町を走るので) トロン温泉は最近改装され、
ミネラル鉱泉や広々とした露天風呂ができました。隣に地元産食材を
利用したレストランができまして、そことセットがオススメです。

 秋芳洞は、私が知ってる鍾乳洞の中では、ケタが違います。ものすごく
大きい。有名な百枚皿傘づくしからの眺めなど、ちょっと他ではお目に
かかれない規模です。1998年現在入場料1240円。高いとは思えませんね。
なお、当日であれば、再入洞は100円で可能です。(しかし、バスとのセット券
だと日付が入らないため、先日は「翌日朝」なのに再入洞券が買えました(^^))


秋芳洞入り口

 大正洞は、秋芳洞ほどの規模はないですが、立体構造になっていて、
こじんまりながらもワリと面白いです。でも、秋芳洞より先に行ったほうが
良いでしょうね(^^;) 比べるとつらいので。
 影清洞は、鍾乳洞というよりはデカい洞窟です。奥のほうに探検
コースがあって、予約必要とはいえ、看板一つ立ってるだけで
人止めしてないから、勝手に入れないことはなかったり(^^;)
 サファリは、秋吉台側の売店や宿舎で前売り券があります。
小さなサファリパークですが、ふれあい動物園のコーナーが面白かった
です。リスザルがまとわりつくし、カンガルーもさわれるし(^^)

 秋吉台上はゆるやかな起伏の丘が続いているのですが、いくつかの
ピークは山の名前がついています。「西山」が東西に1つずつ
ありまして、どちらも展望がききます。好きなのは長者ケ森裏の北山
かなり視界が開けていて、大理石の採掘場らしきものも見えます。

あと有名なのは地獄台。中国自然歩道を西へ歩いて行くと、台上から外れる
あたりにありますが、石が多いだけであまり絵にはならないです。その辺り
は殆ど人も来ないし、道の両側すぐの場所に竪穴が開いていたりして、
歩くのにちょっと勇気がいる一帯ですね。左手に深い谷があり、地獄谷
呼ばれています。ここは森林になってまして、秋は紅葉が綺麗です。


同じカレンフェルトなら地獄台より真名ケ岳が好き


 秋吉台というと、私にはちょっとかわった思い入れが一つ。
 「遥かな空へ」という小説を10年前に書いて、個人誌2に入ってたりするの
ですが。これ、九州のカルスト台地「清木(しぎ)高原」(かつては「さやぎ」と
呼ばれていた)を舞台にした話で、ここに、「龍樹(りょうじゅ)湖」があったり、
岩と潅木のある小高い丘から「記憶の森」に抜けられたり、バス道が通っていて
その向こうに山が見えたり…といった舞台設定だったんですが。これ書いた
3年後に初めて秋吉台に行ってみたら、これがまたイメージそのまんまだったん
ですね(^^;) 確かに、カルスト台地と設定した時点で、社会の教科書で読んだ
秋吉台のイメージはあったんですが、地理的条件まで一緒だとは思ってなくて、
ものすごくびっくりしました。(もともとは九州のえびの高原が画像的イメージ
だったんですが、もう断然秋吉台のほうがイメージ通り。)
 ちなみに、龍樹湖想定地は大雨の時だけ湖になる帰り水ウバーレ、
丘は若竹山または展望台近くの小丘。清木レイクホテルは国民宿舎
かな。ただし、「記憶の森」と長者ケ森は一致しませんでした(笑)

追記。GALLERYに「遥かな空へ」上げました。こちらのページへ。

 
帰り水ウバーレの霧海。
龍樹湖だ〜と騒ぎました(^^;)
ほぼ同じ場所の2時間後。
左下の円形はドリーネ耕作地


○モデルプラン○

1日目:秋芳洞バス停着、荷物を預けて秋芳洞往復。荷物をとった後、バスで
    台上のホテルへ。(YHに泊まるなら、荷物を持って行って、1往復半
    してエレベーターに乗れば近いです) オススメは国民宿舎。展望台
    目の前です。夕陽や朝の雲海を見るにも便利ですね。       
2日目:日の出を見に展望台へ。そのまま若竹山〜長者ケ森〜帰り水ウバーレ
    〜大正洞と歩く。その後、時間と相談しながら、影清洞、サファリ
    などをまわり、バスでホテルに戻る。まる一日コースなので連泊した
    ほうが無難ですが、頑張ればそのまま帰ることも可能です。東萩へ出
    て、翌日萩・津和野観光を入れるとベター。ただしバスの時間が早い
    ので注意。(この場合は、若竹山か剣山くらいの往復の後宿をひきはら
    い、荷物を持って大正洞へバスで出たほうが良いかも)       

※鍾乳洞に初めて入る、大正洞も行く予定、という人は、初日は台上散歩、
 2日目の帰りか3日目の朝秋芳洞に行くようにしたほうが良いです。あれ
 が鍾乳洞だと思ってしまったら、もうどこの鍾乳洞も入れなくなります(^^;)


   台上にかかった虹     朝景


「近況」中の秋吉台の記述はこちら。  1998年 2001年


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